白石共立病院リハビリテーション部は理学療法士19名、作業療法士12名、言語聴覚士3名の計34名が在籍しています。
当病院は脳血管疾患を中心に骨折後の機能回復、廃用症候群の機能回復など幅広い疾患に対して患者さまを中心とした、Drをはじめとするチームサポートを展開し、患者さまとそのご家族に寄り添った医療を提供できるよう日々研鑚に努めております。
理学療法(physical therapist)
当院理学療法部では脳卒中などの脳血管疾患から骨折などの整形疾患、寝たきりなどによる廃用症候群の予防など、幅広い疾患に対して、失われた機能の回復に努めています。
現在、スタッフはベテランから若手まで19名が在籍しており、患者さまの回復を目指して日々努力しています。また、知識・技術の向上のため、研修会への参加や学会発表も積極的に行っております。
理学療法とは?
理学療法は、疾患により失われた体の機能を『運動療法』『物理療法』『装具療法』などを用いて回復を図っていきます。運動療法では主に関節の動き、筋力、持久力、体のバランス機能などを向上させることを目的としており、運動を行うことで脳の機能回復を促進します。物理療法では電気刺激、温熱療法、寒冷療法を行っており、痛みの緩和や神経の回復を目的としています。装具療法は麻痺などで失われた機能を装具によって代償し、運動療法と組み合わせて訓練を行うことで再び歩けるようになるなど、回復に向けた重要な手段の一つです。装具作成の際には専門の義肢装具士と一緒に最適な装具を検討します。
積極的なマット訓練
理学療法室には約20畳のマットが敷いてあり、日本家屋に多い畳や段差を想定し、床からの立ち上がりや階段昇降など、患者様の基本的な動作能力を高める運動を行っております。また、トレッドミルやエルゴメーターも設置しており、患者さまの状態に応じて必要な訓練が選択できるように配慮しています。
自主訓練や動作指導、生活上の注意点などリハビリ以外の日常生活をいかに過ごすかも重要であるため、考慮し介入します。その環境調整として歩行補助具、福祉用具の選定や家屋調査、家族指導も必要に応じて実施していきます。
作業療法(OCCUPATIONAL THERAPIST:OT)
作業療法とは、脳卒中や脊椎疾患などの疾患を患い、生活機能に障害をきたした方に対して、身体的な訓練や日常生活動作訓練、生活関連動作訓練(家事動作や買い物などの社会的な訓練)を行い、対象の方の生活機能の回復を目指すリハビリです。当院のOTは12名おり、デイケアに1名、急性期病棟に3名、回復期病棟に8名所属しております。「作業」とは、生活の中の行為すべてをさします。作業療法士は,患者様にとって目標となる生活行為に着目しリハビリを行う専門職種です。患者様にとって,生きがいとなる作業,患者様にとって意味のある作業の獲得を患者様と共有し目標達成を目指しております。
当院での作業療法実践
身体に障害を残された患者様や認知機能・精神機能が低下された患者様に対し様々な訓練方法を用いてアプローチしています。もちろん麻痺の改善に向けたリハビリ等も行いますが、私たちは患者様の日常生活動作や生活関連動作の訓練も行います。自宅復帰・社会復帰された患者様方がよりよく生活を送りやすいよう、動作練習等を行い、また必要に応じて福祉用具の選択・自助具の作成を行ったりもします。また、必要性に応じて関連職種と共に社会復帰先(職場、学校等)への連携をはかり,社会生活をうまく遂行できるようアドバイス等も行うこともあります。
高次脳機能訓練
事故や脳卒中などによって生じる事のある,記憶障害や注意障害,半側空間無視などの高次脳機能障害を呈した患者様の評価・治療を行います。症状改善に向けた直接的アプローチに加え,生活行為訓練等も行い、在宅復帰,社会復帰(復学,復職等)に向けた支援を関連職種と共に行います。
生活行為向上マネジメント
現在、日本作業療法士協会がすすめている生活行為向上マネジメントツールを使用し、生活行為に焦点をあて、他職種間で、情報交換を行いながら、生活行為向上を目指して訓練を行っています。
言語聴覚療法(SpeechLanguageHearingTherapist)
言語聴覚士は、ことばや聞こえ、食物を口から食べることに障害を持つ方の機能回復や発達促進の援助を行う医療、福祉における専門家です。
ことばの障害
脳卒中などの影響により、それまで不自由なく使っていたことばが、聞いて理解できない、ことばとして上手く思い出せずに上手く伝えられないなどの症状「失語症」があります。そのような場合には多くの場合、文字を読んだり、書いたりすることも難しくなります。また、声のかすれや大きな声が出ないといった「声の障害」、発音が誤ったり歪んだり、呂律がまわらないといった「構音障害」があります。
言語聴覚士は、このような方々の“聞く”“話す”“読む”“書く”の機能の改善を図り、日常生活でのコミュニケーションが円滑にとれるように支援していきます。
飲み込みの障害
脳卒中などの影響により、食べ物を噛んだり、飲み込んだりできない状態を「摂食・嚥下障害」といいます。
このような方々には、まず食物の通路にどのような異常があるのか調べます。そして必要に応じて口唇や舌の運動などの機能訓練、または患者様の飲み込みの状態にあった食事を用意するなど、安全に楽しく口から食べられるように支援していきます。