当院の脳神経脊髄外科疾患の手術例は年間平均265例で月20～25例程度であります。このうち脳疾患と脊椎疾患の比率は３：７で明らかに脊椎疾患の割合が多いようです。前者(全身麻酔)では脳血管障害の特に脳動脈瘤クリッピング（時に血管内治療コイル閉塞術）や頸動脈狭窄症に対しての内頚動脈内膜剥離術が最も多く扱われております.　脳腫瘍では良性腫瘍（髄膜腫、聴神経神経鞘腫）、下垂体腫瘍などが中心ですが、悪性神経膠芽腫などはナビゲータを使用して可及的に画像上全摘出を目指しております。次に後者の脊椎病変は殆どが変性疾患（頸椎症、頸椎椎間板ヘルニア、腰椎変性辷り症、腰部脊柱管狭窄症、腰椎椎間板ヘルニア）が手術の対象になりますが、他、奇形（二分脊椎症、キアリー奇形他）腫瘍（髄外腫瘍、極めて稀な髄内腫瘍）、さらに稀な血管障害（血管奇形、硬膜動静脈瘻）らも手術の対象となります。しかし外来患者の殆どが頭痛、頸部痛、めまい、四肢のシビレや脱力、上下肢の放散痛を主訴で来院されますが、この中で手術の対象になるのは1割以下で、ほとんどは投薬にて症状は改善します。気軽に来院され、MRI,CT等の検査や診察にて早く安心を勝ち取って頂きたいと思います。

 なお当方が遠方な方は連携病院として伊万里有田共立病院　脳神経外科(伊万里有田地区)や正島脳神経外科病院（佐賀市）などもあり、そちらでの検査診察を受けられてもよいかと思います。